Question  未婚です。産婦人科で子宮筋腫と診断されました。今のところ手術は必要ないと言われるのですが、将来の妊娠にどんな影響があるでしょうか?  Cat

Answer  子宮筋腫とは子宮の筋肉の部分に出来る良性腫瘍で、小さなものも含めると全女性の20%にあると言われています。近年、妊娠・分娩の高齢化にともない、子宮筋腫合併妊娠は徐々に増加し、全妊娠の1.5-4.0%に認められるようになりました。また、子宮筋腫発生年齢そのものの若年か傾向もみられます。子宮筋腫と妊娠が合併した場合、それぞれに与える影響を考える必要があります。

(1) 子宮筋腫が妊娠に与える影響

子宮筋腫が妊娠に与える影響のうち、第一に流早産があげられます。流産率でいえば子宮筋腫合併例が23.1%、子宮筋腫を合併しない例では14.7%とやや高率となっています。早産については統計的な有意差はないとする報告があります。妊娠中の胎児の位置の異常(例えば骨盤位、横位など)は10-30%と高率に見られますが、子宮の筋肉のある部分にこぶがあれば当然と言えます。また、妊娠中に胎盤がはがれる常位胎盤早期剥離もわずかですが、増加すると言われています。

分娩時の出血量についても正常の子宮の筋肉は収縮して出血を止めるように働きますが、子宮筋腫の部分は収縮しないために子宮筋腫を合併している方はお産のときの出血量も子宮筋腫を合併していない方の約2倍となっています。また、分娩方法も帝王切開術となる割合が高く約20%(通常は8%)と2.5倍の高率と報告されています。

(2) 妊娠が子宮筋腫に与える影響

妊娠中は胎盤から大量の女性ホルモンが分泌されるため、子宮筋腫に与える影響も大きいものがある筈なのですが、現実には子宮筋腫が増大するとは限らないようです。子宮筋腫部分の増大、不変、縮小のそれぞれのケースが観察されています。子宮筋腫の部分に痛みを伴うことがありますが、通常は軽度であり、特別な処置を必要としないことが多いようです。したがって、妊娠が子宮筋腫に与える影響は大きな問題となるものはないと考えてよいでしょう。

妊娠中に子宮筋腫の根本的な治療を行うとすれば、子宮筋腫のこぶの部分のみ摘出する子宮筋腫核出術となります。しかし、妊娠中の子宮筋腫核出術については統計的に妊娠中にあえて筋腫を核出する意義が疑問視されており、高度な変性や茎捻転などによりコントロールできない疼痛の持続や悪性を疑う急速な増大を示す場合に限るとする意見が多いようです。

子宮筋腫合併妊娠の管理方針は現在の趨勢としては妊娠中の子宮筋腫の核出術は避けてなるべく保存的に対処し、条件によっては核出術を考慮するという意見が支持を得ていると思われます。今回の妊娠、分娩に問題が起こったと考えられるケースでは非妊時に子宮筋腫核出術を行っておくことが次回の妊娠のために大切であると考えられます。

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