Question  上の子供の幼稚園でリンゴ病が流行しています。私は現在妊娠中なのですが、子供がもらってきても、おなかの子には影響はないでしょうか。?  Cat

Answer  リンゴ病とは伝染性紅斑というウィルス感染症で、原因となるのはパルボウィルスと呼ばれるものです。この病気は頬がリンゴのように赤くなるのが特徴です。大体が幼少時の病気で、5~9歳がピークとなっています。リンゴ病はもともと軽い疾患で、発疹が出るほかは、軽度の発熱程度で自然治癒するので、特に治療は必要としないことがほとんどです。感染は飛沫感染によるものと考えられていて、潜伏期は14~18日位です。

この病気は子供の病気であると考えられていましたが、成人にもこのウィルスは感染します。日本での妊婦の抗体保有率(過去に感染したことがあると思われる人の率)は約30% 程度と考えられており、残りの約70%の人は感染に対して免疫がないということになるため、おたずねのように妊婦さんが感染することもあります。

妊婦さんがパルボウィルスに感染するとどのような影響があるかということについて、文献的な報告をまとめてみます。このパルボウィルスは妊娠12~24週の胎児の赤芽球(赤血球になる前の未熟な赤血球)の中で、非常に良く増殖するとともに、その赤芽球を破壊し多くの子孫ウィルスを形成します。この子孫ウィルスが再び別の赤芽球に感染します。こうするうちに結局赤血球は増えなくなり、ついには極度の貧血状態になり、心臓は貧血を補うべく働きますが、ついには心不全に至って、全身の胎児水腫がおきる可能性があるとされています。妊娠25週以降の感染では今のところ大きな問題となることは報告されていません。また、風疹感染のような胎児に奇形を起す催奇形性についても、報告はありません。

では、妊娠中にこのパルボウィルスに感染したら全ての胎児に胎児水腫が発生するかというと、決してそうではありません。妊婦さんがパルボウィルスに感染しても、胎児にまで感染が及ぶことは少なく、4~10%程度と考えられています。さらに胎児が感染したとしても胎児水腫を引き起こすことはさらに少いと考えられています。逆に非免疫性胎児水腫の中でパルボウィルス感染が原因と考えられるものは1~2割程度ではないかと言われています。

まえに述べたように現在の妊婦さんの約70%は免疫がなく感染する恐れがあります。結論的には胎内感染を起した場合、その約10% は流早死産となり、残りの約90% は正常分娩に至ると考えられます。しかし、パルボウィルスに有効な治療薬剤は未だなく、予防もきわめて困難です。妊婦検診時の超音波診断で胎児水腫の早期発見に努めることが重要なことと考えられます。

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