Question  産婦人科で内診を初めて受け、子宮後屈だと言われました。先生から「人間には右利きの人、左利きの人がいるのと同じで子宮がすこし傾いているだけで心配ありません」と言われましたが、ちょっと心配です。それはどういうことか詳しく教えて下さい。それによって気をつけることなどありましたらお願いいたします。  Cat

Answer  結論的に言うと全く心配される必要はありません。

子宮は鶏卵大の大きさの袋のような臓器ですが、その構造は2つに分けることができます。子宮の入り口の部分を子宮頚部と呼び、奥の部分を子宮体部と呼びます。子宮頚部と子宮体部の境目ではそれぞれの軸が同じ方向ではなく、ズレていることが多いものです。子宮頚部と子宮体部の関係は文字で言えばカタカナの「ヘ」の字のような形と言え、「ヘ」の字の左側の短い部分が子宮頚部、右側の長い部分が子宮体部でつながっていると考えればわかりやすいと思います。この子宮頚部の軸に対して子宮体部の軸が体の前方に倒れた形、すなわち「ヘ」の字の右側の長い部分がお腹側に倒れていれば前屈と呼ばれます。また、子宮頚部の軸に対して子宮体部の軸が後方に倒れた形、すなわち「ヘ」の字の右側の長い部分がお尻側に倒れていれば後屈と呼ばれます。

子宮を前屈と後屈に分けてどちらかはっきりとさせることは、医療機関サイドでは重要な意味を持っています。産婦人科医療機関での検査や処置などで子宮体部の奥まで器具を挿入することは通常よく行なわれています。その際には、患者さんによって前屈子宮なのか後屈子宮なのかがそれぞれ違うため、子宮口からどの方向へ向かって行けば子宮体部の奥まで到達できるかは重要なこととなります。したがって診察した後のカルテ記載事項のひとつとして、前屈や後屈という内容は意味があるわけです。また、前屈、後屈だけでなく、詳しくは前傾、後傾、右傾、左傾、その他といった具合に子宮の位置や形態を表す言葉は多くあります。

一方患者さんサイドから見れば、前屈でも後屈でもどちらでも全く意識される必要はありません。大雑把に言って女性の2/3は子宮前屈、1/3は子宮後屈の状態と言えます。これらの子宮前屈、子宮後屈の状態は、おたずねの方が担当医より説明を受けられたように病気ではありません。すなわち子宮前屈や子宮後屈は単に子宮の形を表している言葉であって、病名ではないのです。ご安心下さい。

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