Question  現在妊娠5ヶ月です。病院に行くたびにお腹の子供が写った超音波写真をいただいています。写真の中でいろいろな大きさが計ってありますが、意味がよくわかりません。忙しそうなのであまり詳しく聞けないのですが、、、。  Cat

Answer  近年は超音波断層法が進歩し、子宮内の胎児や付属物の状態が画像でみることができるようになりました。そこで得られる情報にはいろいろなものがあります。専門的になるとなかなか説明しにくいものもあるのですが、一般的なものを妊娠初期、中期以降に分けてお話してみます。

(1) 妊娠初期

妊娠2ヶ月(4週以後)では子宮内に胎嚢といって胎芽が入っている袋が見え始めます。この胎嚢の長径を計測したものを胎嚢径(GS径)といいます。このGS径から大体の妊娠週数を推定することもできます。また、一般的には子宮内に明らかな胎嚢が認められれば子宮外妊娠を否定することができます。さらに妊娠5~6週以後になると胎嚢内に胎芽が観察され、初期の心拍動が確認できます。

妊娠3ヶ月(8週以後)からは胎芽といわずに胎児といわれるようになり、胎児の大きさを計測することができます。胎児は足を伸ばさないので身長を計ることが困難なので一般的には頭からお尻までの長さである頭臀長(CRL)と呼ばれるを計ります。この頭臀長は妊娠時期の算定に重要な指標とされています。すなわち月経が不順な方では最終月経開始日からの計算と実際の妊娠週数、分娩予定日がずれていることが多く、この頭臀長(CRL)によって妊娠週数、分娩予定日の確認をして、ずれがあれば修正を行うことがよくあります。その際超音波画像上では計測によって算出された分娩予定日はEDCと表示されていることが多いと思います。

(2)妊娠中期以降

妊娠中期以降になると頭臀長(CRL)は胎児発育の指標としては適当ではなくなり、胎児の一部分を計測してゆくことになります。一般的なものとして胎児の頭の長さである児頭大横径(BPD)、児頭前後径(FOD)の他、大腿骨長(FL)、躯幹前後径(APTD)、躯幹横径(TTD)、腹部周囲長(AC)、躯幹横断面積(FTA)、上腕骨長(HL)、脊椎長(LV or SV)、羊水量(AFI)などを測定することが多く、超音波画像上にはカッコのなかの略号で表示されていることが多いと思います。文献的にいえば測定される部位はこの他たくさんありますが、上記の中の3~4項目というのが一般的なものといえ、それぞれの医療機関によって測定項目は異なっています。

以上のような胎児や羊水量はそれぞれの週数での正常値が設定されており、超音波画像上には測定値から対応する週数が表示されていることが多いと思います。さらにそれらの複数の計測値から胎児の体重を推定する計算式があり、最近の超音波機器では3~4種類の項目を計測すると自動的に画面に推定体重が表示されるようになっています。この推定体重はEBWとかEFWと表示されていることが多いと思います。