Question  最近はじめて健康診断で婦人科に行って内診をしました。がん検査と言う事で、子宮の入り口の細胞を取ると言う説明を受けて、内診を受けました。そこで先生から 子宮の入り口が、極端に左によっていて見えないと言われました。また、入り口がすごく小さいみたいで、細胞を取るための綿棒も入らないと言われました。こう言う状態で、妊娠、出産は普通にできるでしょうか?現在25歳で来年春に結婚します。とても不安です。  Cat

Answer  女性の膣の奥にある子宮はニワトリのタマゴくらいの大きさです。子宮の入り口は10円玉のような形で中心に子宮の奥に通じる小さな穴が空いています。これを子宮口といいその奥にある子宮頚管につながっています。

診察をするときは膣を器具で開くと正面にその子宮口が見えることが普通ですが、子宮口が左右、あるいは上下にずれていることも多いものです。子宮口が左右、上下にずれていても決して異常ではなく、がん検診のために細胞を取る際や、コルポスコープという拡大鏡で見る際には、診察者が上手に子宮口を正面にもってくるコツが少し必要となるだけです。子宮口の位置がどうなっているかということは患者さんご本人には全く関係のないことです。もちろん妊娠、出産に対して悪影響は全くありません。ご安心下さい。

また、子宮口はお産をした方であれば直径が数ミリメートル程度ありますので、がん検診に際して細胞を採取するために綿棒やブラシを容易に挿入することができます。

しかし、お産をされたことがない方やお産をしていても年月が経過している方では子宮口や子宮頚管が極端に細く、非常に細い器具でも挿入が困難なケースもあります。そのような方でも不思議なことに小さな子宮口や細い子宮頚管からでも、月経は通常どおり出できて、血液のかたまりや厚くなった子宮内膜もなんなく排出されています。人間の体はよく出来ていて、子宮口も妊娠前は『鼻の頭程度の硬さ』ですが、妊娠末期には胎盤から分泌されるホルモンの作用により『唇程度の柔らかさ』に変化します。したがって子宮口が小さいとか子宮頚管が細いといったことは、将来的な妊娠や出産に対しては全く問題はありません。難産となるかどうかといったこともありませんので、ご安心下さい。ただ、『普通に出産できるか?』と質問されていますが、妊娠前の子宮口の位置、子宮口や子宮頚管の大きさとは無関係ですが、どなたでもさまざまな原因でお産が経膣分娩ではなく、帝王切開になる可能性はもちろんある程度はあります。