骨粗鬆症(こつそしょうしょう)について教えて下さい。
1000万人と推定される骨粗鬆症の患者のうち70~80%が女性です。今後ますます増加すると予想されています。骨粗鬆症に起因する大腿骨頚部骨折患者は年間8万人。その40%は寝たきりとなり、10~20%は1年以内に骨折が原因で死亡しています。さらに脊椎(せきつい)骨折は大腿骨骨折の3倍とも言われています。関連医療費も膨大で、社会的にも大きな負担となっています。
女性の骨量が最大になるのは30歳前後で、更年期に入ると減少を始め、閉経直後の5年間に10~15%が失われ、60歳代後半以降は再び緩やかに減少します。骨量減少は若年女性の卵巣機能不全でもみられ、骨粗鬆症になる危険性が強まり、その後の骨折につながることが予測されます。無月経、カルシウム摂取不足、運動不足、ダイエットによる栄養のアンバランスなど危険因子を取り去ることが骨量を維持し、閉経後の骨折を予防することにつながります。
骨粗鬆症になる危険性がある状態を発見することも重要で、X線による骨量測定が必要です。ホルモン補充療法などさまざまな薬物療法がありますが、患者さんの状態や治療効果などを参考に治療方針が決定されます。