今、産後4ヶ月で、生理が2回きました。妊娠前に比べて量がかなり多くなり、少しお腹も痛くなりました。妊娠前はお腹も痛くなく量も少ない方だったと思います。1人目の時は全然量も変わらなかったのですが、2人目の時あまりにも量が増えたので、産後だからなのか、どこか異常があるのか心配です。なお悪露は2ヶ月くらい続きました。
過多月経に関するお問い合わせと思います。過多月経とは言葉としてはあるのですが、その概念となるときわめてあいまいな内容となります。すなわち実際に何ml以上になったら過多月経なのかという定義がない(実際問題計測自体も困難)ので、客観性に乏しいことになりますが、「夜に何回も起きた」とか「仕事に差し支えた」とかといった内容となります。
ちなみに日本産科婦人科学会では月経持続日数、および量について次のように決めています。
・ 正常持続日数の正常範囲は3~7日。
・ 過短月経:出血日数が2日以内のもの。
・ 過長月経:出血日数が8日以上続くもの。
・ 過多月経:月経血量が異常に多いもの。
・ 過少月経:月経血量が異常に少ないもの。
前記の過多月経の定義にはないのですが、女性の通常の月経量は50mlから100mlと考えられます。したがって牛乳ビンで言えば1/2以下の量ということになります。ところが種々の疾患によりこれが増大することがあります。女性は毎月月経があるため月経量が多い過多月経の方では500mlあるいはそれ以上となるケースがあります。そうなると毎月貴重な血液が体外へ出ることになるために極端な貧血状態となります。毎月貧血が進行し、気づいたときはヘモグロビンが5g/dl(正常は11.3g/dl以上)以下こともあります。これでは体内に酸素を運ぶ能力が激減し、身体に多大な悪影響を与えます。徐々に貧血が進行した場合ご本人の自覚がないことも多く、極端な貧血状態での労働、スポーツ、家事などで「最近息切れがするようになたが年齢のせいでしょうか?」などと言われることもあります。
それらを引き起こす過多月経の原因としては、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮内膜の異常、子宮内膜ポリープ、ホルモン異常、血液疾患などがありますが、このような場合最も多い原因は子宮筋腫です。初潮後の若年者や閉経前であればホルモン異常のことも多いものです。
子宮筋腫の症状については、過多月経、鉄欠乏性貧血、腹部腫瘤の自覚が主な症状で、それらのほかに月経痛、腰痛、頻尿、便秘なども子宮筋腫を疑わせる症状と言えます。
おたずねの場合は産後ということで、分娩との関連性があるようにお考えのようですが、1人目の産後もそのようなことがなかったように、分娩に関連する異常で産後4ヶ月で過多月経となることは一般的にはまず考えにくいと思います。産後の1ヶ月検診で異常が認められなかったとしても、婦人科的にもう一度精査の必要があると思います。なお婦人科的に全く異常がないにもかかわらず、過多月経、月経痛があるようであれば、母乳保育終了の時点以後では避妊も兼ねてピルの内服がきわめて効果的です。