いつごろからか気づいた時、生理中に血液に混ざりレバーのようなものが出ます。別に痛みなどの症状はないのですが、何か病気でしょうか?
月経とはどのようなものかをまずご説明しましょう。女性は思春期になると頭の中にある視床下部という部分がホルモン活動をはじめます。そのホルモン活動によって視床下部の下にある下垂体が刺激され、その下垂体から卵巣の中にある原始卵胞を発育させるようなホルモンが血液中に分泌されます。そうすると卵巣の中で原始卵胞が発育し、だんだん大きくなって直径2cm程度の成熟卵胞となります。この時エストロゲン(卵胞ホルモン)というホルモンが血液中に分泌され、子宮の中の内膜を厚く増殖させます。さらに成熟卵胞から卵子が排卵されて卵胞は黄体となり、プロゲステロン(黄体ホルモン)も分泌されるようになり、子宮内膜はますます厚くなり、受精卵が子宮内に着床しやすいように変化します。受精卵が着床し妊娠が成立するとその子宮内膜はどんどん厚くなって将来胎盤や卵膜になります。しかし、妊娠しなかった場合は排卵から12~14日後にエストロゲンやプロゲステロン分泌が激減し、子宮内膜が維持できずに剥がれて出血と共に排出されます。ごれが月経です。
すなわち子宮内膜は毎日受精卵の着床のための準備をしているわけです。
したがって月経とは血液も出るのですが、厚くなった子宮内膜も排出されています。この子宮内膜は固まりとして見えることがあります。それ以外に月経の血液成分が固まり、あたかもレバー状に見えることもあります。したがって月経量が正常範囲内で、過多月経でなければ、おたずねのような固まりがあっても多くは問題のないものと考えられます。固まって出ても、流れて出ても全体の量が問題となるわけです。月経量が多く、過多月経の状態であれば、当然血液検査で貧血を指摘されるようになり、そのような場合はもちろん婦人科的な精査が必要となります。またいつもとは異なる今回限りの月経時の異常な固まりであれば、まれですがご本人の気づかない妊娠、流産ということもあり得ますので産婦人科受診が必要でしょう。