Question  先日妊娠検査薬で妊娠していることがわかりました。 産める状況ではないので中絶を希望したいのですが・・・。 手術や麻酔はどんなふうにするのでしょうか? 手術をしてからすぐに退院できるのでしょうか? 仕事をしているので早くに退院できればと思っています。  Cat

Answer  現在日本では妊娠22週未満(6ヶ月半ば以前)の人工妊娠中絶手術が認められています。妊娠週数は、最後にあった月経の第1日目から数えます。したがって月経がないと気がついた時には、すでに2ヶ月(4週)となっているわけです。さらに1ヵ月(4週)経過すると3ヶ月(8週)に入り、予定月経日よりほぼ2ヶ月(8週)経過すると4ヶ月(12週)となります。人工妊娠中絶術のうち妊娠初期(3ヶ月、11週以前)が約94%、妊娠中期(4ヶ月、12週以後)が約6%となっています。

妊娠初期の人工妊娠中絶術について具体的にご説明いたしますと、あらかじめ外来診察で妊娠の確認をするとともに、子宮、卵巣などの診察や必要な術前検査を済ませ、手術の日を決めておきます。また、人工妊娠中絶術は母体保護法という法律によって実施されますので、手術までに本人と胎児の父親の同意が必要で、同意書という書類にそれぞれ署名をしていただきます。手術は母体保護法指定医という資格をもった医師が行います。

手術の当日は麻酔をかける関係で飲物や食物は摂らないようにして来院していただきます。手術の方法は点滴から薬を入れて静脈麻酔をかけて、子宮口を開き、子宮内容を吸引または掻爬によって体外に排出させます。(当院では吸引法で行っております)この際にお産の経験のない方や子宮口の狭い方では手術のすこし前に子宮口をゆっくりと開くような器具をあらかじめ挿入しておきます。手術所要時間は数分程度で終わり、手術中や手術後の痛みはありません。また、手術中は寝ているためご本人にはわからないうちに手術は終了します。手術後はしばらくベットで休み麻酔が覚めると飲食はOKとなり、手術後の診察を済ませて終了となり帰宅できます。お仕事については翌日からは全く通常の勤務が可能です。以上のように、妊娠初期の人工妊娠中絶術では入院は不要なので、おたずねのようなご心配は不要です。

しかし、妊娠中期の人工妊娠中絶術となりますと、外来手術とはいかず数日間入院して人工的な陣痛をおこして分娩と同じように娩出させるといった方法となります。