生理と生理の間に出血があり、産婦人科へ行ったら「機能性出血」と言われました。詳しく聞こうと思いましたが、忙しそうなので十分に説明を受けませんでした。この「機能性出血」とは、悪いものではないのですか?
機能性出血と言う言葉は正確には「月経、器質的病変、全身疾患による出血を除く子宮出血をいう」という意味ですが、きわめてあいまいな概念と言えます。この説明で理解できる方はまずおられないと思います。
かみくだいてご説明いたしますと、子宮がん、子宮筋腫、性行為感染症、骨盤内の炎症、子宮頚管ポリープなどの病変がなく、妊娠でもなく、また全身的な白血病、血液凝固異常などの血液疾患もなくて、なおかつ不正出血がある場合をまとめて機能性出血といっています。
当然のことですが、機能性出血と診断するためには前述のいろいろな病気でないことを確認する必要があるため、内診、超音波検査、細胞診、コルポスコープ、血液検査などを行い、それらの結果にまったく異常がないことを確かめることが必要となります。
機能性出血の原因としては月経をおこす視床下部-下垂体-卵巣系の各種ホルモン分泌のみだれがあげられます。たとえば排卵日過ぎに少量の出血があるのも機能性出血と言えます。時期的にも排卵前、排卵直後、月経前などさまざまです。また、無排卵周期の方にも機能性出血はあります。また、このような機能性出血をおこす方はホルモン分泌が不安定な、初潮後、閉経前の方に多いといったことがありますが、必ずしもそうとは言えず20代、30代の方にもあります。
取り扱いとしては出血量が少量で、出血が持続する期間が短ければご心配されることはないので、放置しておいてもかまいません。しかし、毎月そのようなことがおこるのがいやであったり、出血量が多かったり、あるいは出血の期間が長引くようであれば治療が必要となります。多くの場合ホルモン剤による加療が行われます。まれですが、大量の出血がありホルモン治療で止血させることが不可能な場合には子宮内膜掻爬術を行わなければならないケースもあります。